2013年2月2日土曜日

走った後~ フィンランディア・酢橘・リッキー


今日は一生分のマイナスイオンならぬ、木香を吸ったそんな一日。カップ・ブラシサンダーで
一日中木を磨いていた。サンダーて重いのね。仕事を終えるころには、腕が上がらなくなっていた。

で、仕事のあとは買物の誘いを断って、飽食の自戒もこめてランニングに出る。
石和温泉まで走って帰ろうかと、考えていたがランニング自体1年半ぶり位だもんで
自信がなかったので、最寄駅の山梨市駅まで走ることにした(それでも往復8キロだ)。

よく走っていた、大阪の中之島公園と違い山梨の界隈は街灯つうものが、殆ど無いわけで
初めて走る古い道を、手探りと言うのは何とも怖い。

それでも、対向車のライトを頼りに
往復大凡50分かけて走る。寮にたどり着いたころにはヘトヘトだ。

さて、しょうもない報告前置きが長くなったが、今宵は(も)鱈鍋ということで。
酒は、昨日のデリアン・ワイン白をオン・ザ・ロックスで呑み始める。
昨日どんだけ呑んだんだという話なんだが、2杯呑んだところで瓶が空く。

その後は、新しく酒庫のワイン封切してもよかったんだが、走った後で喉が渇いていることもあり
どうも、そういう気分にもならず冷凍庫のフィンランディア・ウォッカに鱈鍋用の
酢橘を絞り、ソーダでビルド。前も書いた通り、このOLD BOTTLEのフィンランディアが
すこぶる甘いのと、酢橘が完熟なのとで、シュガーでリックしなくとも
丁度よい塩梅の、フィンランディア・酢橘・リッキーとなったのであった。
4杯程のみ、あとは休日前夜の御決まりで日が変わるまでディベートに興じた。

2013年2月1日金曜日

大和葡萄酒 大和葡萄園(白) 中口 1800ml


本日もなんやと忙しい月初であったが、なんとか早めに仕事を終えて
いつも行かないスーパーへ買い出し。冷蔵庫ストックを一掃せよとの寮長のお達しで、焼きそばの材料を購入。
そういうわけで、通常に比して気合の入らない買物であったが、
ここのスーパーはやたらとワインの品ぞろえがよくて、私的にはテンションが上がるのである。

高い酒を買って帰ると、ブルジョワジーと揶揄されるので
プライベートなら目もくれない、1升ワインを購入することとした。
大和葡萄酒のデリアンワインだ。他の隊員も1000円程度の酒を思い思い各々が購入。

1升1181円とは大変安い。のには理由があり、これはいわゆるマストワインつうやつである。
全量マストでは無いかと思われるが、要するに発酵前濃縮葡萄果汁をチリやアルゼンチンから購入し
これを発酵、ジェネリックワインとブレンドして作るワイン。実は葡萄品種の選定・指定から
アッサンブラージュの割合まで、大変奥の深い世界なのであるが
超高級グランバンしか呑んでいない、日本のラウド・マイノリティの方たちからは
ワインの文化レベルを下げる諸悪の根源みたいなカテゴライズをされがちだが、
いやいや、むしろワインと接点の乏しい日本人にワインの良さをデイリーに楽しんでもらえる
ことを布教しに来た、フランシスコ・ザビエル的な位置づけのワインなのであるよ。
と、熱くなってしまったが、この大和葡萄酒のはどうでしょう。

ジェネリック特有の中庸なぼんやりした輪郭の香だが、悪い香りではない。
白パイス、セミヨン、ソービニヨン・ブラン、シャルドネ?といったところかしら。
中口とあるが、思った以上にドライに仕上がっており好感がもてる。
下手な舶来の安物バラエタルの白なんかよりも美味しい、気がする。
臭味少なく、えぐみや変な甘さもないので、すいすい薄い日本酒呑んでいる感覚で
気づけば、1升の半分以上を一人で吞んでいた。

少々呑み疲れしたので、自室に戻り家人に電話したところまで覚えているのだが、
気づけば寝ていた様である。

2013年1月31日木曜日

祝杯 LAGAVULIN 16 YO


1月も終わりだ。数日を除き、ほぼ山梨に入り浸っていた1ヶ月。
その、1ヶ月入り浸りのかいもありプロジェクトが大きな局面を一つ乗り切った。
そんな時は皆で祝杯だ。否、毎晩祝杯なんだが、ちょっと特別感を演出した、祝杯が肝要である。

つう訳で、久しぶりに泡ものを、抜栓。シャンパーニュでないのは、私の出張酒庫にそんな良い酒が入ってないから。
でも、このCAVAは価格考えるとべらぼうにクォリティー高い。
シャンパンもCAVAも味に大差なかろう、などという甘い言い訳の通用する隊員たちではないけれど、
乾杯用には何はともあれ、やはり泡。
(ちなみに初級編注釈としてCAVAはスペインのカタルーニャ地方ペネデス地区の
スパークリングワインで、シャンパーニュ同様トラディショナル方式で醸される泡ワイン)

1本1000円そこらで吞めるわけだから、十分を超えて十三分くらいの満足泡である。
そして、このCOVIDESのCAVAは特に美味い。CAVAは味わいが粗いので基本
宅ではめっきり呑まなくなったけど、やはりたまに吞むここのCAVAは安くて秀逸だ。

今日は鍋の翌日につき、鉄板で。毎度性懲りもなく、余熱段階の不味そうな鉄板集合写真も。

で、CAVAがなくなったところから、本日のメインLAGAVULIN 16YO 1Lを。

実をいうと私の最も好きなアイラ・モルトで宅の定番シングルモルトの1つなんだが、
ドイチャー隊員の厚意で持って帰ってくれた、銘酒故とてもそんなことは言い出せず、
素知らぬ顔で、美味い美味いとトゥワイス・アップでいただく。なんせ、20年以上前に
イギリスで買ったものとのこと、拙宅で吞んでいるのも同じ16YOだが、
全然味の丸みが違うのである。要するに、OLD BOTTLEと言うやつだ。
アルコールが適度に飛んで、アイラにはあるまじき甘さと円熟味。本来このLAGAVULINは
オン・ザ・ロックで吞むと、辛さが際立って、少々勿体ないのだが
このボトルに限っては、トゥワイス・アップよりも冷たく頂く方に軍配が上がった模様。

LAGAVULINの他の記録:PROVENCEの丘で09

2013年1月30日水曜日

HARMAND GEOFFROY BOURGOGNE ROUGE 2008


素敵な食卓はワインから。
ではないが、今宵も良い感じの食材目白押し。美食家隊員の持参した、京都佐々木酒造の吟醸酒粕で
粕汁をということになった。なんせ、チーフコックが来ているので。全部お任せだ。
出てくるまでにかなり腹が減ったので、酒粕を焼いて食す。

ベースが大変レベル高い酒粕につき(残存アルコール度数は10度近)味付けせずとも大変濃厚。
皆砂糖かけないと、などと宣うていたが私一人素材の味で頂いた。
チーズのようで美味し。

粕汁には合わないが、美味しい飯にはそれ相応の酒でなければいけない、という持論のもと
今宵はブルゴーニュ赤と奮発した(ただのリジョナルではあるけれども)。
アルマン・ジョフロワのACブル赤2008。

と、思い通じたか神田川チーフコック、「こっちがメイン」と、以前も隊員から手放しの喝采を得た
豚キャベツ・ミルフィーユ鍋を。お、これは妙を得たり。ブルゴーニュにも合いそうやないの。

で、このBRG赤は抜栓直後は、私の嫌いな酸いい安物BRGを地で行く感じだったんだが
20分もすると、少々ジュブレ・シャンベルタン調の甘やかな香と、香に近い良い線言った濃いめの甘味を振りまき
幻滅させられことのない、BRGとなったのであった。

皆も一様にうんうんとうなずき、これは良いワインだ。と。

2013年1月29日火曜日

振舞飯とピノノワール


本日、大阪より送り込みのワインがダースで届く。また隊員1号美食家が参戦。本記ではただのグルメ扱いだが、実は歴とした重役高給取りにつき、
給料日明けということで、いつもより豪勢な食材を供給頂いた。ただ飯だ。ご馳走様です。

鮟鱇と牡蠣を種に、味噌鍋。刺身もいつになく綺麗である。


まあそんな魚な食卓には全くもってマリッジしないのだが、前ブルゴーニュ赤が好評だったので、今回はピノノワール主体だ。
ワイン勉強中のドイチャー隊員にピノノワールの特性や、代表的なアペラシオンのコート・ドールの説明なんかをしながら。
まあ、見ての通り呑んだのは本場BRGではなく、ドックのピノなんだけど。ラングドックのピノねぇ…

私に言わせれば「カシスジャム」の一言で終わりそうな、単調な味わいも、中々の好評をはくし、
やはり口の肥えた年配の皆様には若い濃い系のワインよりもこの手合いの薄甘ワインの方が良いようだ。
こりゃあ、これから高くつきそうな。

鍋をつつき始める前に、これは呑み終わり。続けて、私はフィンランディアのアイスド・ボトルをオン・ザ・ロックスにして。
やはりこのフィンランディア、甘トロで美味し。

フィンランディアの次は、尽忠見舞いの熨斗紙つきの頂き物、ハイランドの珍酒(と言えば叱られそうだが)グレンゴイン10YOを。ピンボケ失礼。


これまた、オン・ザ・ロックスで。以前も書いたが、これはノン・ピートの主張の強くない部類のシングル・モルトである。
要は、ピート焚いてモルトを乾かさないので、スコッチと言うよりは、カナディアンウィスキーみたいにさらっとした、
ピート(沃土)香のしないウィスキー。ピート香を愛する、アイラLOVERの私には物足りなく、
拙宅では冷凍庫に突っ込んで雑穀スピリッツ扱い、ストレートで吞んでいる(モルトファンにはしばき倒されそうな扱いだ)。

ただこのグレンゴイン、他の隊員からはすこぶる好評でいかに日本人の舌が繊細かを再確認させられたという訳。
つうことは、私が味音痴ということか…いやいや。

2013年1月28日月曜日

4女神像のギリシャ酒 ~ WEINGUT SPECKERT-RUPRECHT AUSLESE 1989er

早朝より起きだして、バタバタと支度して慌ただしく大阪を出発した。米原あたりの降雪の影響で、名古屋からの在来線特急に1本乗り遅れる。

と言うわけで、半日の大阪滞在からまた山梨に戻った。

1日とは言え、山梨を離れ帰ったものだから過忙を極める月曜日で、仕事を仕舞い込んで寮に帰ったのは21時。山梨の朝は早いため、通常の感覚なら終電まで仕事した感じだ。

そんな月曜だったため、それほど酒を呑んでということにはなるまいと思っていたのだが。

私と同じようなことを考えて、長野のご実家に帰ってらしたドイチャー隊員がしこたま蔵から珍しい酒を持って帰っている訳だから、やはり呑まない訳にはいくまい。


こういう見たこともない酒から。4 MAIDENS OUZOUNI BRANDY。ギリシャの銘酒ウゾかと思いきや、ブランディーと表記あって、無色透明ではない。なんじゃこれ。
グラスに一杯ストレートで吞むが、なんともトボケタ香味で、質の悪いアルコールに香料とカラメルで味付け・色着けしたウォッカを連想させる。失敗作のオールド・ウォッカみたいだ。
余りうまくないので、仕切り直しに今日の御好み焼と併せて、私の出張酒庫の残党最後の1本を。


シラーと言うには、エキス分・コクが少なく中庸なヴァンド・ペイで特段美味しくはないが、悪くもない。
ドイチャー隊員のテイスティング練習用に、買ったオマケワインだから良いのである。お好み焼きソースとはよく合って、俄かのプチ・マリアージュ。


フィンランディア・ウォッカのオールド・ボトルもオン・ザ・ロックスで。これは、状態もよく、甘く濃厚な良いボトルだった。


で、食後の〆に標題スペッケルト・ルプレヒト醸造所のアウスレーゼ1989年を。
保管状態が中々に苛酷だったのであろう、若干のヒート。また、多少のブショネも。
ただ、しばらくするとヒートは気にならなくなり、ブショネも極少だったので大変素晴らしい熟成白を楽しませていただいた。皆一様に薄いハチミツレモンやな、と。確かに、未だフレッシュな酸が
程よく乗ったアウスレーゼの糖と拮抗しており、古典的なくどくない薄甘アウスレーゼの良い熟成ボトルといった様相。

のっけから飛ばし過ぎの感は否めないが、杯数煽ったわけではないので至って普通に正気を保って、残務を片付け床に就いたのであった。

2013年1月27日日曜日

代価から考察する「将軍タルボ」 CHATEAU TALBOT 2006

帰阪。大阪に着いたのは、14時半。いつも行く美容室に16時に髪を切りに行き、その足で山梨に送るワインを1ダース購入。年始買った服のお直し取りに行ったりしていると、気づけば、もう19時を回っているのであった。

久しぶりに再開する家人と共にKOHYOへ買出に。ちゃんと買物に出かける1時間前に抜栓して、
尚且つデキャンタージュもして、万全の態勢の赤。

そう、かなり久しぶりのサン・ジュリアン村。格付4級のタルボ将軍のワイン。何だかメドックGRAND CRUの中ではリーズナブルで美味しいワインなんつう、しょうもない触込みで紹介されることの多いワインだが、
このワインは、個人的にも好きなサン・ジュリアンの一つ。

そして、私のような呑み赤貧には決してリーズナブルではない!1本ビンテージによりけりとは言え、1万円近いようなワインをリーズナブルと言ってのけるような酒呑みは私に言わせればアホである。


と、心して呑むべきワインと言うことを、己に言い聞かせ。


先ず、KOHYOの比較的美味い寿司と共に、ハウス焼酎「兼八」をお湯割りで。先日、山梨越冬隊員たちに「私家では伊佐美か兼八しか呑まんのですけど」と酔って話すと白い目で見られたが、ほら
値札が示す通り、定価である。ちょうど1本なくなり、家人の為にストックの1本を開ける。


ワインに1万円出して満足と言ってしまう阿呆はまだ理解できても、こんな粕取り酒に(通常のルートを開拓することもなく)1万円近い金子を出すのは酔狂ではなくて真のアホだとも思っている。

毎度のこと、そんなことは露程も頭をよぎらず、兼八湯割りで体が温まった後
鍋もボチボチできあがり。


ズワイが安かったのです。デフロスト物かとは思うが、中々悪くない甘さが乗って、これまた
ワイン飲まない人からは阿呆呼ばわりされそうな、中々なドイツのお気に入り、アーミン・ディールのリースリング・ゴールドロッホ・グロセスゲヴェクス・2005を。


ある種、赤の将軍より俄然貴重で高貴な白だ。蓮華蜂蜜から始り、この位の熟成年数にボチボチ見られがちなペトロールはほんの僅か。途中から、蓮華が胡桃入りの蜂蜜に変化し、やはり白い華のニュアンス。リースリングには珍しいくらいのオイルも感じ、流石ブルゴーニュを意識づけてる生産者の醸すそれだなと。ここのグロセスゲヴェクス特級はつと、鍋との相性よし。過去の記し見るにつけ、鍋とのセット出現回数が多いのだ。

大変満足のリースリング特級で、あっと言う間に飲み干して、タルボへ。

このタルボ、最近のサン・ジュリアンのシャトーとは一線画し、相変わらず古き良きというかあまり早飲みスタイルではない。確かに、抜栓直後の早いうちはとっつきやすいのだが、やはりその後はうんともすんとも、黙りこくってかたくなである。しかし、年がらもあるのか、私の勝手なイメージの同一アペラシオンの昔のベイシュベルなんかに代表されるマッシブ一直線と言うよりは、ブルゴーニュに感じられるようななフィネスが前面。そんでもって、ブルゴーニュには余りないミント・葉っぱのニュアンスが強い。

なんて、饒舌に書き綴ったところで、余りの疲労で2杯呑んだところで、記憶の淵から転げ落ちたんだが。

なんにせよ、外呑みすりゃぁ40Kをくだらない酒を、一夜の大阪で愉しめたのは明日への活力。
明日も早いぞ。寝るべ。