2012年7月7日土曜日

黄金酒造 全芋焼酎 蘭

今日は恥ずかしながら雑多だ。家人が肴をしくじったと言うのだが、謙遜でなく確かに…なので、仕様が無かろう。しかして、一晩の酒席に於いて、ストーリー性を欠く酒筋と言うのは、やはり酔客のレベルの露呈であることは確かである。なので、恥を偲んで。

いつものルーニー4Bで始め、牛肉のたたき


巻物サルティンボッカ


子持ちシシャモの、バルサミックソース


ちょいとずつ味筋微妙。珍しいね。
困ったわね、こんなのあるわ。と出てきたのが、ドラゴンフルーツ。普通出てくるか??


東南アジア放浪時代、腹がゆるくなると(野生児故、滅多にならなかったけど)市場に買いに行ったっけ。こんな極小ではなく、拳2、3個分くらいの巨大な龍果であったが。懐かしさも相まって美味い。


以前焼酎は基本、伊佐美か兼八しか呑まなくなったと綴ったが、それの珠の例外でストックしている「蘭」をオン・ザ・ロックスで。たまに焼酎呑むと美味いものだ。トロピカルフレーヴァー、胡蝶蘭の香りを満喫する。これは、文献によると日本最古の全芋焼酎である。「一刻者」の先輩か。

※脚注)「最古」「全芋」「いも麹 芋」「一刻者」との相関関係不確かにつき蔵元さんに確認中。


しかし、やはりどうしても25度のアルコールでは酒席を〆るに〆られず、サイドカーをロック・スタイルで頂き、今宵は呑みあがり也。

2012年7月6日金曜日

別れの杯 ~ a parting glass of DIEL 2002

ネタが命の芸人ではないので、今日は特に変な人に帰路出会わず。当たり前だ。その代わりに別の話。

私さんちゃごの顔は正対称である、左眉の上に小さな黒子がある以外ほぼ完全な正対称。証拠に自分自身で日常見る鏡の中の自分と、写真に撮られて見る自分の顔、全く違和感が無い。
この話を先日フランス人にすると、確かに貴方の顔は左右対称ずれが無いね、それは大変素晴らしいことなんだと誉め?られた。あとからフランス長い知人に聞くと、特にフランス人はシンメトリーを美と捉える傾向が強いのだとか。

さんちゃごが美しいかどうかは甚だどころか無茶苦茶怪しいが、今宵の杯は、そういう意味ではまさしくアシンメトリーのワイン。昨日の出会いと対峙してparting glass=別れの杯、ディールのピノ・ノワール2002だ。ピノ・グラスに1杯ずつ注ぐとボトル半分ちょうど無くなった。


昨晩の余韻は勿論、継承しているのだが、何より顕著なバニラ香。本来バニラ等のニュアンスはブーケとして樽香由来のものなのだが、これはどうも液に染み付いているのか、液の香りなのか非常に強力に一貫して香ってくる。まるでバニラビーンズをリッチに使用したケーキに苺と練乳がかかっているようなそんなまったりとして、優しくたおやか。アシンメトリー上等。




実はワインに入る前に角ハイと、魚介類肴を頂いていたが、ちょいとフライング失礼。


当たり前のように、ピノ半分ボトルで足りるわけもなく、ただここから酒庫の濃ゆいローヌ赤を開ける元気はなく、血迷ったか例の龍力純米ドラゴン・エピソード3を。普段好んで呑む、度数の高い生原酒でないのが余計に宜しくない。軽い軽いと、気づけばまだ抜栓後2日しか飲んでおらんのに、5合目に差し掛かっておるではないか。酩酊酩酊、今宵はもう寝ます。

2012年7月5日木曜日

サヨナラ ORANGE ~ DIEL PINOT NOIR 2002

今宵も変なものを帰宅途中みた。暗闇の中、向かいから歩いてくる20代と思しき若い女性。なにやら、シューシュー言うている。ちょっと変な人かと思って、身構えた。と、すれ違い様、右手に持っているのが見えたんだが。何故かオロナミンC。しかも、えらい泡吹いおる。加えて、その泡吹いているオロナミンCをなおも左手で開けようと、スクリューキャップを捻りながら歩いてくる。その様は…鬼子母神…ならぬ…なんだ。少し恐怖を覚えて帰宅。

さて、今宵はこのあっつい中SUKIYAKIということで、これも開けること決まっていた、最後の最後の標題、ディールのPN2002。本当に最後だ。


しかし、スキヤキに合うことは今までの函買いディールの経験で了している(つもり)。


いざあっついスキヤキ開始。まず、迎撃体勢整えるべ。と氷部屋のぞくと、おぉぉぉぉぉい、なんで氷あらへんねん!!!角ハイが…、確かに角は冷凍庫、ソーダもキンキンやけれども、氷抜きの角ハイ飲んだら一気に家人ともども口数減る。

もうエエよ、ディール呑もうかと呑み始めると、だめだ、スキヤキ浸す卵の臭い倍増。ディールは後にしましょう。

仕方ないので、ワタクシ中座して横のヤジロベエ店長のコンビニに黒ラベル500mlとラガー500mlと氷を買いに参る。で、ようやく落ち着く(何でSAPPORO贔屓のヤジロベエがここにきてYEBISUを置いていないんだ)。


その後スキヤキも一段落着いて、本題最後のこれを。やはり、ピークは過ぎているものの、何度味わってもぶれずにオレンジ・ピールから誘われる、赤砂の枯山水。焚かれる練香の香りと、抹茶の香り、噛めば噛むほどの椎茸の出汁の香り。どこまでも和のテイストが強い。先程まで食していたスキヤキを鏡に映したごとき、砂糖の煮詰めた甘さや、肉汁を感じる麝香、椎茸の菌床が含む腐葉土の香り。卵でなく、別の出汁か何かに合わせれば、素晴らしきマリアージュだったのか。

1本4000円台の函買い、結構な出費ではあったがとても奥深きピノの世界に誘う道先案内人になってくれた、この彼女に最敬礼。


でも大丈夫。今日は賢く、半分BTL残してるから。モテナイ男は未練がましいのが常。

2012年7月4日水曜日

七夕に想いを~2010 Riesling trocken

今日は果たして、やはり一日雨であった。それもかなりの強雨。どしゃぶりだ。
先日拙宅エントランスで七夕の笹セッティングされていることは既に記した。その笹に今年も願いを寄せるべく。枕にこの前呑んだ1985年シャトー・マルゴーのブションを添えて。(ラップしてもらっているとは言え)未だブションからは芳香が香っているんだから、やはり恐るべし5大シャトーである。


今宵は、連日の酒・肴に小休止をということで、呑むものも食べるものも質素に。どこが。


先ず、ヴァイオレット・フィズ。その後角ハイを2杯。



七夕テーマだけに、笹鰈。そんで、中々良い感じの和洋折衷ちゃんちゃん焼き。
併せる今宵の酒は、昨晩のゼクトの造り手ブール醸造所のエントリー・リースリング毎度である。


ちょいと酸が強い、が値段考えればなんの、良いレベルだ。流石世界的に評価の高いここんちのエントリークラス。さて、今日は本当にこれだけで呑みあがり。まあ、でもボトル一本空けてるわけだから、「たったこれだけ」とはとても言えないね。
今から、カルヴァドスを呑んで寝るつもり。

2012年7月3日火曜日

WEINGUT REICHSRAT VON BUHL SAPATEBURGUNDER BLANC DE NOIR BRUT 1999 SEKT b.A. PFALZ

しっかし暑かった。今日は外にいる時間が長かったので、照りつけるような太陽光線にさらされて。まさしく真夏。まあ、明日からまた雨のようだけれど。

そんな熱帯夜に、今宵は毎度のブール社のブランド・ノワール1999。奮発抜栓。



その前に、暑いといえばラムということで、モヒート作る元気は無かったので、GFJとソーダで割って。


角ハイも2杯呑んで、料理が揃う。




ブールのブラン・ド・ノワールはこれまた先日のベルヒャーのピノ・ゼクトと同じくらいの生命力。かなりの生命力。シュペート・ブルグンダやし、ピノ・グラスで頂きましょう、とリーデルのそれに入れても泡が止まない。


ピノ・ノワール特有のピンクがかった色味と熟成によるアンバー化の美しい色合い。呑まずとも美味しいことが伺える。香りは酵母が強いが、しっかりと古酒泡の蜜の香り、ラムネ的な駄菓子の要素、アールグレイなどのフレーバード・ティー。テイストは外観とは異なり、内包された泡はマイルドで、端的に言うなら豊穣。リッチでコクがありボディのしっかりした美しい泡である。

過冷却もありまだ香りの要素が弱いかと、久しぶりのヴィンテージ・シャンパーニュ・グラス登場。ネクタリンあるわよとのことで、添えて。


これが、当たりだ。久々、ヴィンテージ・グラスが役に立った感じ。ピノ・グラスで分散してしまっていた香りの要素が、集中してより高級なニュアンスに昇華。ネクタリンもよくマリアージュ。
美味しいので、どんどん呑んでグラス最後の半杯。あ、これが本性ね。と息をのむ。この上なく美味しく開いてきているのである。嗚呼、やはり短気損気の早飲み(これは文字通り抜栓から終わりまでの期間を指して)は、良いワインを半分ほどしか楽しめないないんだな、と反省しきり。ボトル半分置いておくべきだった。

後悔先に立たず、反省酒は自戒の意もこめて、マティーニを。暑くなってきたので、ステアの回数は少なめで。



今宵もよく呑み、よく食べた。

2012年7月2日月曜日

BRAC MORGON LE CHENE DU PY 2009-2

ワインの後にハイホンで綴られる数字は、抜栓からの日数。「D」と綴るのは、デキャンテーションの有無。中々体系だってるじゃないか。なんて言いつ、数字までは書いても「D」を綴ったためしなぞ無いな…。所詮酩酊日記である。

さて今宵は、そういうわけで"-2"の昨晩のmorgonの続き。


二日目でもへたら無い。これは中々驚きのポテンシャルだ。同じ(じゃないけど)ボジョレでもヌーボーは、抜栓10分~一気に急降下、翌日にはお酢になっていたなんてことが多い。
10分どころか、24時間近くたって更に良い開花具合を見せてくれる。瓶の最後には結構なオリ。





いつから、食日記になったんやと自問しつつ。morgonは無くなり、結局いつもの白も引っ張り出して、結構な量呑み切って呑了。

2012年7月1日日曜日

BRAC MORGON LE CHENE DU PY 2009

今宵はまた家人パーティーということで、嗚呼きっと夜食は期待できんなと。呑むものはこれに決めていた。ボジョレ特級モルゴン。
※初級編脚注として。ヌーボーでは無い。


ボジョレ格付け級の中では最も男性的なMORGON。
その前に2日前のMESTIS BLANCO2011を呑む。

ふむ、これは先先日の印象よりはやや好転。青林檎(これは同じはずだ)、若干膨らみを感じるその他細かいニュアンス。風船ガム(青林檎。当然)的な、駄菓子な要素。前回は感じ辛かった花の香りは今回レンゲだ。味筋は八百屋の雛壇片隅に忘れられたグレープフルーツ。

まあ、でもここまでだ。これを仮に2日放置しても変化は無いだろう。ある意味ぶれないコアを持っている証でもあって、百の割合で否定することはできない。

で後、このスペインの白を片手に、標題めちゃんこ久しぶりのボジョレ特級を。


液色は、かなり濃い。とてもボジョレとは思えない。同価格帯のリジョナルBRGではまずない色調だ。MORGONやからこその密度濃い色合い。

一口目は、ダークチェリー。ボジョレにありがちな苺ドロップ・キャンディーは感じない。

濃いねぇ…。濃厚と芳醇と。スムース・タンニンと言わないまでも、タンニンの質は決して悪くない。

これは恐らく、私の中でボジョレに対して特に良いイメージ、良き先入観が無いからであろう。ガメの青臭い匂いと、高級ワインにありがちなカカオが同居する、不思議な世界をせいぜい2000円程で楽しめるのは優秀だ。2000円のBRGに、中々この感動は無かろう。



結局、家人が見かねて色々作ってくれて普段と変わらぬ今宵。

尚、今MORGON後半に差し掛かっているが、良い!くぐもったチョコレートを含んだスモーキーフレーバーが今は亡き「Jorker(煙草)」を彷彿とする。

何事も過度な期待は禁物。斜に構えつ、良き酒を待ちたいものだ。
さすれば、斯様な酒にもたまには出会えるというもの。