2017年3月9日木曜日

BILLARD GONNET POMMARD 1942

仕事の一環ではあるものの、ほぼfor funの意味で供して頂いたと言っても過言でないので、アップしときましょう。
 
ゴネのポマールの最も古いストックの一つを開けていただく。
 
なんと御歳 75歳。
世界大戦前のワインだ。ゴネ氏の御祖父様が醸したワインとのことでセラーに残るのは此れも入れてあと3本。

開けたては、ごく僅かにブショネを感じたもののその圧倒的な偉大さ故、其れをマスキングする程のブーケが広がる。

最早このレベルになると品評することも躊躇われるが、地下のカーブに拡がる香水としか形容しようのない芳香。口に含めば驚くはまだ微かに残るタンニン。そして、しなやかと言うのが良いのか、歯応えを錯覚させると言うのが良いのか、果実が長い年月を経て、焼菓子やリキュールを思わせる甘やかな甘露に変化していることを感じられた。

こう言うワインを開けられてはただただ傅いて飲むのみ。英語の通じないゴネ氏を前に、ひたすらにこにこと、この時代を超えてきた美酒を満喫したのであった。

2017年3月8日水曜日

呑みごろの美酒たち LEFLAVE~DUJAC@ BISSOH

ボルドーやブルゴーニュでは偉大な生産者の偉大なワインというものがある。
ここで頂いたワインたちは、そういった部類と言ってよいのだろう。

ばたばたと仕事をこなしてBeauneの街に辿りついたのは、夕飯時の丁度良い時刻であった。昨年11月以来の4ヶ月ぶり?

たまにお世話になるBeauneの日本レストランBissohにて。












先ずはDomaine Leflaive Clavoillonの09から。良年”果実”の年。
特級ではマダマダ呑み疲れするであろう年だが1級ということも相まって、こなれ感、良い、とても良い。ボルドーや、CDBの赤ではよくとも、特にCDNのシャルドネには悪く作用することも少なくない過分な日照と高い気温であるが、このクラヴァイォンは良い。香りかぐわしく、味わって少し熟成により減退した果実と、それにより引き出された酸がとてもよい調和を見せている。
日本で買えば、結構な価格になるであろう(というよりバックビンテージがないのかな?)、人気ドメーヌの1級もこのBissohにかかれば100ユーロ台。
ペアリングで出していただいた、西洋葱の皿との相性もよく、幸せな一本でした。

その後、選んだのがこれも偉大な生産者の偉大な畑。
Domaine Dujac Clos de la Roche Grand Cru 06。畑によっては全然吞むには早いが、CDRならということで。しかし残念これは、軽度のブショネということで他に変えてもらうことに(こちらでは、ブショネの返品は全てドメーヌが受けてくれるので御店の痛手はない)。
同じDujacの06で、Aux Malconsorts。1級だが、La Tacheの横の畑。限りなく特級に近い1級。赤い果実と黒い果実の絶妙のバランスに、VRが熟成した時特有の蠱惑的で淫靡な香水の香りが殊に強い。トリュフとは言わないが、松茸風な高貴なキノコの香。ため息出ますわ。


人気畑だけに、上述のCDRとほとんどリスト価格変わらないが、これも日本で吞むこと考えたら格段に安く、1/3程度の300ユーロ台。

土地柄、マスタの人柄、良いコレクションをお持ちだ。

チリから帰国して、またすぐ渡欧した為、まれにみる疲労困憊具合が一気に癒されたBeauneの一晩でありました。

惜しげもなくごちそうしてくれたbig bossに感謝。