ゴネのポマールの最も古いストックの一つを開けていただく。
なんと御歳 75歳。
世界大戦前のワインだ。ゴネ氏の御祖父様が醸したワインとのことでセラーに残るのは此れも入れてあと3本。
開けたては、ごく僅かにブショネを感じたもののその圧倒的な偉大さ故、其れをマスキングする程のブーケが広がる。
最早このレベルになると品評することも躊躇われるが、地下のカーブに拡がる香水としか形容しようのない芳香。口に含めば驚くはまだ微かに残るタンニン。そして、しなやかと言うのが良いのか、歯応えを錯覚させると言うのが良いのか、果実が長い年月を経て、焼菓子やリキュールを思わせる甘やかな甘露に変化していることを感じられた。
こう言うワインを開けられてはただただ傅いて飲むのみ。英語の通じないゴネ氏を前に、ひたすらにこにこと、この時代を超えてきた美酒を満喫したのであった。
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