2012年4月3日火曜日

MEYER-NAKEL Weißburgunder 2005er

新年度である。今年は1日が日曜であったため、若干陸上競技のスタートでフライングがあった後の、なんとも言えない雰囲気の漂う、そんな新年度の始まりであったが。
今年も数多の若者たちが、深遠なる酒界に仲間入りしてきてくれることを願おう。

今年の新入社員のタイプは「奇跡の一本松型」だそうな。ネーミングのセンスの是非はさて置き、燻っている日本経済復興の光明を若者たちに希望するというのは、健全な思考であろう。はて、私のタイプは何だったかな…よく当っていて、忘れもせぬが、公表すると歳が知れてしまうので。



今宵はマイヤー・ネイケル ヴァイスブルグンダーの05。白ワイン開けること前提の皿たちに手向ける。

ワイン開ける前に、レッドアイ。おぉ、トマトジュースで割ると、この石鹸香が生きてくるではないか。
プレモル愛飲家からは石鹸、石鹸、煩いと顰蹙買うかも知れぬが、これなら呑める。



さて、ヴァイスブルグンダーはスペルを見て推察できる通り、シュペートブルグンダーの変異酒。ピノ・ブランとしてアルザスなどが有名だが、ドイツも生産量が多い。先日ここのシュペートブルグンダーを呑んで大変美味しかったので、姉妹品のヴァイスブルグンダーを開けることにした次第。

して、お味は。…ヒートダメージ。先ず香りが立ち上ってこない。デキャンタに移し変えて、暫し置くも香りはごく僅か。色調も、熟成を経ているにしても濃すぎるヒート色。完全な熱劣化ではないのだが、既に熟成のピークを超え枯れてしまった感が色濃いので、生命力でヒートを押しのけるだけの馬力が足りない。ただ、健全な状態で飲んだならきっと美味しかっただろうと、思わせるポテンシャルの片鱗は感じ取れる。年老いた白馬が重い荷車を力なく引いているイメージ。

完璧を追い求めるワイン愛好家はここで捨ててしまうのだろうが、私は捨てない。あきらめずチビチビ呑んでいると、本当に最後の一杯で少し美味しくなった。臨終の間際の輝きとしておこうか。

ただ、やはりこう言うワインは呑んだ気にはならぬので、もう一本。赤呑もうということで、スペインのフミーリャのcastillo roquero vino tinto 08を。ここのreservaがすこぶる旨いのだが、今日はエントリークラス。

でこれは……ヒート。て、こらぁぁぁ!ポートワインみたいになっとるがな!
流石に、赤のヒートものでこのクラスのワインを呑みきる生命力が、今度は私の方に無く。このワインの謂れを語らいながら、エチケット眺めつつミモレットを食す。ミモレットも若干乾燥が進んでいたか、セミハード6ヶ月熟成が、22ヶ月熟成張りに外皮は硬くなっていた。

こんな日があるから、普段のワインが美味しく感じられると思えば修行の一環。なんのなんの。
と負け惜しみ。

0 件のコメント:

コメントを投稿